極上の柔らかさを使い込みたい「甲州印伝」の小物


古くから革工芸として用いられていた「印伝」
「甲州印傳(印伝)」とは、鹿革の上に漆で柄付けした革製品のことです。鹿革と日本人との付き合いは古く、弥生時代から実用品として生活の中にありました。その後、奈良時代には様々な技法が外国から伝搬され「甲州印傳(印伝)」は革工芸として受け継がれてきました。

甲州印伝の老舗である「印傳屋」の創業は1582年(天正10年)のこと。この年は、戦国時代の中でも特筆すべき事件が次々と起こりました。旧暦の3月に武田家が滅亡。6月の本能寺の変で、織田信長が覇者の座から転げ落ちました。明智光秀の“三日天下”も終わり、羽柴秀吉が信長の後継者としての地位を固めた清洲会議までが6月のできごとでした。その時代から存続するのが「印傳屋」なのです。


印伝はインドから伝わった?
「印傳」という非常に変わったネーミングの由来は、印度伝来を略した<印伝>とも、<インデア>の変化した言葉ともいわれます。鹿革に漆で柄付けする独特の技法は、江戸時代頃に、遠祖・上原勇七が考案したのが始まりだそうです。その工程は、鹿革の表面を滑らかにする「革擦り」、染色をする「浸染」、複数の型紙を変えながら顔料を革に刷り込む「更紗(さらさ)」、藁の煙で革をいぶす「燻(ふす)べ」や、革に漆で模様をつける「漆置き」などがあります。さまざまな工程における技法を会得し、職人が1人前になるのには、少なくとも5年以上の歳月が必要だとされます。

素材の鹿革と漆は、もともと四方を山で囲まれた甲州(山梨県)で古くから利用されていたもの。鹿革は人肌にもっとも近い素材といわれています。摩擦に強く、使い込むほどに手によく馴染み、味わいが深まります。漆は接着力、膜面の強さ、防水性、などの<丈夫さ>を持ち、独特の光沢という華麗さも兼ね備えています。

  


海外進出や一流ブランドとの協業も積極的に
1987年に経済産業(当時は通商産業)大臣指定伝統的工芸品にも認定されている「甲州印伝」ですが、伝統に甘んじないのが「印傳屋」です。先んじる1981年には直営店を青山にオープンさせ、東京にも進出。外部のデザイナーやブランドとの協業も行っていて、かつては、世界的ブランドであるグッチやティファニーともコラボアイテムを作っていました。現在は「INDEN EST.1582」というブランド名でアメリカ・ヨーロッパなどでの世界展開を開始。2017年には英国王室御用達の老舗「アスプレイ」のクリエーション・コラボレーション・パートナーにも選定されています。

  

▲名刺入れはカードケースとしても便利。使い込むほどに柔らかく、手に馴染んできます。
写真:「名刺入 大」黒地白漆-爪唐草

世界の一流品と肩を並べる品質を持った、日本を代表する革製品「印傳」。「印傳屋」の山印がついた商品は、どんなに昔に作られたものであっても、できる限り修理するのをポリシーだそう。伝統と革新の両方を大切にしながら、伝統の原点からブレないブランドなのです。

  

▲台形型のシンプルなポーチ。軽くて容量もあるので旅行にもぴったり。
写真:「ポーチ」赤地白漆-とんぼ

バッグ、ポーチ、カードケースなど、日々手に触れる日用品はあまり主張の強すぎるものを避けたい人も多いはず。洗練されたデザインと、物語ある伝統は、男女を問わず所有者に満足感を与えてくれることでしょう。

  




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