2018/03/14

    400年の伝統が生み出した能作の花瓶「そろり」

    地場産業の匠が生きる街・高岡

    富山県・高岡市。その歴史は1609年に前田家2代当主の前田利長が高岡城を築いたことに始まります。2年後の慶長16年に、利長が7人の鋳物師(いもじ)を招き、現在まで続く高岡銅器の一歩が刻まれることになりました。

    金箔に、輪島塗、加賀友禅など、前田家が育成してきた伝統工芸は、江戸時代から現代に至るまで日本中に轟いていますが、高岡の銅器もそれに連なる産業なのです。

    高岡銅器は、一般的には梵鐘(ぼんしょう)や仏具などが有名です。高岡漆器とともに、経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。最近では、先人たちの「ものづくりの技」を継承しながら、デザイン性の高いクラフト商品が続々と発表され、多くの注目を集めています。

    デザインの自由度が高い金属製品が「鋳物」

    花瓶の「そろり」はいわゆる鋳物です。

    「鋳物(いもの)」という言葉は、皆さまもご存知だと思いますが、その作り方は以下のような工程によります。

    金属材料を高温で熱して液状にしたのち、型に流し込みます。それを冷やして目的の形状にする製造方法が「鋳造(ちゅうぞう)」です。その型から取り出してできた金属製品が「鋳物」なのです。鋳物のメリットは、何といってもデザインが自由なこと。金属を液体にして流し込むので、複雑な形や小さな部品でも自在に作ることが可能なのです。

    そうした高岡の鋳物の歴史を引き継ぐ会社が「能作」です。能作は、1916(大正5)年に高岡で産声をあげました。創業当時は、仏具、茶道具、花器の生地を製造していましたが、インテリア部門にも進出、ベルや風鈴といった人気商品を開発。さらには、抗菌性の高い錫(すず)を用いたテーブルウエアも手がけるなど、現代のライフスタイルに合わせた製品を生み出しています。


    ▲茶道の花入として歴史の中を生き抜いてきた完成されたフォルムです。


    「曽呂利」とは室町時代から続く花入の伝統的な形

    現在の「能作」を代表する製品がそろりシリーズの花瓶です。じつは、この「そろり」とは室町時代から続く、伝統的な茶道の花入の形なのです。そろりとは、文様がなく、細口で、耳がないこと。さらに、首が細長くて、肩がなく、下部がゆるやかに膨らんでいる一輪挿しを「そろり」と呼ぶのです。

    そろりは「曽呂利」とも「座露吏」とも書いたようですが、全体に「ぞろり」とした姿からこの名前になったとされ、6世紀以上に渡って日本人に愛されてきました。

    能作の「そろり」は、三代目・能作佳伸さんによって、デザインされました。そのシンプルで美しいフォルムは高い評価を得ていて、能作を代表する真鍮製品に成長しました。


    ▲一輪挿しはもちろん、オブジェとしての存在感も。


    「そろり」の花瓶は、和の空間はもとより、洋室のアクセントにもなります。日本人の美意識の根底に、この美しいシルエットがぴったりとはまっているからでしょう。ぜひ、あなたのお部屋のインテリアとして取り入れてみてください。



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